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進捗状況報告

私立大学研究ブランディング事業

2017年度の進捗状況

学校法人番号 271014 学校法人名 関西大学
大学名 関西大学
事業名 オープン・プラットフォームが開く関大の東アジア文化研究
申請タイプ タイプB 支援期間 5年 収容定員 26178
参画組織 東西学術研究所(関西大学アジア・オープン・リサーチセンター)、総合図書館、博物館、なにわ大阪研究センター
事業概要

 本学が長年にわたり蓄積してきた学術リソースを基盤に、東アジア文化研究のオープン・プラットフォームを形成し、人と世界に開かれたデジタルアーカイブを構築する。本事業を通じ、「世界的な東アジア文化研究を牽引する関西大学」としてのブランド確立を目指す。同時に、国と分野の垣根を越えて、新たな人文知を創造することにより、学是「学の実化(じつげ)」に基づく将来ビジョン「Kandai Vision 150」を実現する。

①事業目的

 本事業の目的は、関西大学の特色ある豊富なリソースを基盤とする東アジア文化研究のデジタルアーカイブを構築し、その活用を通じて東アジア文化研究の世界的研究拠点としてのブランドを確立することにある。
 事業の中核となる関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(Kansai University Open Research Center for Asian Studies:KU-ORCAS)では、3つのオープン化

  • デジタルアーカイブの構築・公開による研究リソースのオープン化
  • アーカイブ構築に関わる研究組織を内外に開く研究グループのオープン化
  • デジタルアーカイブの構築とその活用手法に関わるノウハウや課題を共有し協議する研究ノウハウのオープン化

のポリシーのもとに、世界に開かれたオープン・プラットフォームを構築し、「世界的な東アジア文化研究を牽引する関西大学」というイメージを本学のブランドとして定着させることを目指す。

②2017年度の実施目標及び実施計画

<研究目標>

デジタルアーカイブのコアコンテンツの確定とアーカイブ構築体制の起動

<ブランディング戦略目標(周知)>

「世界的な東アジア文化研究を牽引する関西大学」の宣言と学内外への周知

<研究実施計画>

  • キックオフ・シンポジウム
     「デジタルアーカイブが開く東アジア文化研究の新しい地平」の開催
  • 特殊資料をターゲットとする公募研究班の募集(第1次)
  • 論文・学会発表、研究者交流・MLA連携の推進(毎年実施)
  • ユニット別の研究集会の開催(毎年実施)
  • ユニット別(1・2・3)の研究計画の実施

<ブランディング実施計画>

(今年度実施)
  • 記者発表
  • WEBサイト開設(アクセス解析ツールの装備)
  • プロモーションビデオの製作
  • YouTube、SNS公式サイトの開設
  • 本事業のパンフレット、チラシ、ステッカーなどの作成
  • 学内広報機関紙への掲載(連載企画など)
  • キックオフシンポジウム新聞告知(採録含む)

<目標を達成するための評価指標及び測定方法>

(達成度評価指標)

 ステークホルダー(第1群~第3群※)の指標(アーカイブコンテンツ数、論文数、学会発表件数、シンポジウム・研究会開催数、本学の東アジア文化研究に関する認知度、異分野研究者参画数、学校訪問での本事業広報数、機関紙・イベントでの露出回数、大学独自説明会での本事業周知回数、公開講座等イベント開催数等)

(測定方法)

 上記指標について、5年後の達成目標に向けた達成状況を毎年測定し、状況を把握する。
 初年度については、実質的実施期間が約半年であることを加味する。

※ステークホルダー
〔第1群〕:専門研究者・専門学会・MLA(博物館、図書館、文書館)
〔第2群〕:異分野研究者・異分野学会・教育機関(教員等)・企業・自治体
〔第3群〕:在学生・保護者・卒業生・受験生・海外からの留学希望者・市民

③2017年度の事業成果

主な研究成果

 研究目標:「デジタルアーカイブのコアコンテンツの確定とアーカイブ構築体制の起動」を踏まえ、シンポジウムを2回開催した。9月22日キックオフ・セミナー「デジタル・アーカイブ化の先にあるもの-新しい人文学研究のあり方をめぐって-」は、本事業の目指すものを議論した(東京・大阪同時開催、二元中継)。2月17・18日キックオフ・シンポジウム 「デジタルアーカイブが開く東アジア文化研究の新しい地平」では、デジタルアーカイブの可能性を多角的に検討した(発表者4カ国より10名)。
 MLA連携の推進では、バチカン図書館と協定を締結し、デジタルアーカイブに関する国際会議に参加発表し、国内外諸機関との連携・協力体制構築に着手した。また、今後デジタルコンテンツの国際規格になると予想されるIIIF(トリプルアイエフ)の採用を決定し、同コンソーシアムに加入した(日本では東京大学、京都大学に次いで3番目)。
 アーカイブズの構築においては、ユニット別の研究集会を開催(3回実施)して各ユニットのアーカイブの方向性を議論するとともに、コンテンツの選定とデジタル化を開始した。具体的には、近代漢語語彙コーパスの点検・検証と今後の採録テキストの確定、関西大学「泊園文庫」典籍のデジタルアーカイブ化と歴代院主著作のテキスト化、大坂画壇絵画のリスト化(本学所蔵分、国内所蔵分、イギリスを主とする海外所蔵分)、飛鳥・難波津関係発掘成果のデータ収集、京都の郊外都市・淀川流域の古地図・寺社境内絵図の所在調査などである。これ以外に、パイロットユニットとして、近代のアジア映像・劇場文化研究資料、金石拓本、中国古代木簡などの多様な東アジア文化研究資料群のアーカイブ化を公募研究も含めて始動した。さらに、バーチャルリアリティ(VR)を用いた遺物の新たなディスプレイ手法の開発に着手した。

主なブランディング事業実施状況

 ブランディング実施計画に基づいて、第3群向け広報を実施した。具体的には、在学生対象として、①全学ウェブサイトでのKU-ORCASウェブのバナー掲載、②文部科学省企画展示特設サイト公開、③学内ポスター掲出(2017年11月~)、④卓上ポップ設置(2018年3月~)、⑤インフォメーションシステム(イントラネット)でのイベント等開催のお知らせ(3回)など7回実施した。保護者、卒業生対象として、①広報誌『Reed』51号(2017年12月)、②教育後援会(保護者)機関誌「葦」№168、③校友会(卒業生)機関誌「関大」第603号・第604号の4回実施した。
 受験生・海外からの留学希望者向け説明会では、① 3月に実施したオープンキャンパスでのVRブース出展、チラシ配布(2018年3月24日:来訪者:80名)と② 受験生へのDM発送(2018年3月~)の2回実施した。
 市民対象として、①泊園古典講座 場所:梅田キャンパス(2017年通年・前期後期の計2回)、②「公開講座フェスタ2017」主催:大阪府主催 場所:大阪府新別館南館8階 大研修室、東西学術研究所泊園記念会 中谷伸生教授「泊園書院と大坂の絵画」(2017年11月13日)、③ 文部科学省「情報ひろば」企画展示 場所:文部科学省新庁舎東館2階エントランス正面(展示:2018年2月19日~3月27日/イベント:2018年3月27日)として、新聞告知1回と公開講座を5回実施した。
 さらに、プレスリリースの定期配信やニューズレターの発行、毎日新聞(全国版)へのシンポジウム採録および朝日新聞NewsPicksへの出稿、各キャンパスの食堂などでの集中した情宣活動(学内広報ジャック)、記者発表、WEBサイト開設(初期ウェブサイト開設(2017年6月)、全面リニューアルサイト開設(2018年2月))、デジタルアーカイブのイメージを分かりやすく伝えるプロモーションビデオの製作(2018年3月)、Facebook開設(2018年2月)を行い、広く情宣活動を行った。

④2017年度の自己点検・評価及び外部評価の結果

(自己点検・評価)

 関西大学アジア・オープン・リサーチセンター運営委員会において、研究プロジェクト内部の自己点検・評価を行った結果、ユニットごとの研究テーマはほぼ計画通りに進展した。
 また、大学のブランディング戦略策定・実行を担う広報専門部会においては、ターゲットごとのアプローチの明確化や、本学が採択を受けた2つの事業を一体的に結合して広報を推進していく戦略の必要性等についての意見があった。さらに、本学の全学的評価組織である、外部資金審査・評価部会(副学長の下に副学長指名メンバー若干名で構成)においては、事業初年度として順調に進捗しているものの、「今後はバチカン図書館や林原美術館など、国内外の機関との協力体制を進展させ、更なる具体的成果を求める」との意見を得た。また、学長を座長とした研究ブランディング事業戦略会議では、国際広報策について、ホームページの多言語化だけではなく、本学のネットワークを活用し、海外協定校に直接働きかける仕組が必要であるとの意見があり、次年度以降の展開に反映することにした。

(外部評価)

 今年度委嘱した外部評価委員による外部評価結果については、本事業は、9月のキックオフ・セミナー、2月のキックオフ・シンポジウムを開催し、その目的と意義の周知徹底をはかるとともに、内外の関係者に対するアピールを行い初年度としては着実なスタートを切ったと判断できると、概ね、高評価を得た。今後は、日本国内で唯一のオープン・プラットホームの確立と、KU-ORCASの知名度を上げる方策を講じ、品質の向上を図ることが肝要であると助言を得たので、取組むこととする。広報活動については、 前述で記載したとおり、ステークホルダーごとに、効果的な広報活動を行ったことについて、広告代理店から、定点的に効果測定が可能な指標を設定し、その結果から広報量を調整する等、広報活動のPDCAを回していくことが課題であるとの意見を得ている。また、一般や民間企業への浸透を考えた場合、若年層よりも、教養面を能動的に習得したいと考える好奇心の高い高齢者や企業経営者等にターゲットを絞り、イベント告知や接点創出することも重要との提案もあった。これらの外部評価結果を踏まえ、引き続き研究の進展とKU-ORCASの認知度向上のためのブランディング活動を展開する。

⑤2017年度の補助金の使用状況

 本年度は、施設・設備整備費補助金37,179千円、 経常費補助金47,000千円に、自己資金46,521千円を加えた合計130,700千円により事業を実施した。主な使途としては、オープンプラットフォームシステムに係る研究装置1件と中国近代報刊庫などのデータベース2件の研究設備に加え、 研究費として主に消耗品費、 器具備品費、人件費 (PD2名)、 出張旅費等に使用した。また、広報・普及費として、 新聞等広告、 WEB制作、プロモーションビデオ制作等に使用した。
 なお、 補助金の使途を含めた本事業の予算については、 常任理事会により機関決定のうえ予算措置を行うとともに、 全学的な支援体制(広報課、 研究支援・社会連携グループ、研究所事務グループの連携)により、 研究活動とブランディング活動に連動性をもたせた、計画的かつ適正な執行管理を行っている。