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活動報告

UNIT 22021.04.21

「大坂画壇の絵画 ~日本・イギリス共同研究展~」を開催 中谷 伸生

江戸時代後期の大坂では文人画(南画)が盛んになり、その流れは京都を圧倒する勢いでしたが、多くの美術史家たちは、東京と京都の画家たちにしか目を向けず、大坂の文人画家たちを切り捨ててきました。しかしながらこれからは、こうした大坂の豊かな文人趣味を再評価すべきと考えています。

 

なお、今回の企画は、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)、ロンドン大学SOAS、京都国立近代美術館、大英博物館日本部門に所属する研究者が協力して2018年以来積み上げてきた研究を展覧会として開催するもので、2022年春には京都国立近代美術館で第2弾を、その後にもロンドンの大英博物館日本美術展示場で第3弾の展覧会を予定(未定)しています。

 

2020年12月14日(月)から2021年1月23日(土)の間、本学博物館との共催により、本学図書館及び東西学術研究所が所蔵する近世近代の大坂画壇と京都画壇の作品群の中から、大坂の画家たちの文化交流に焦点をあて、また、大坂の画家たちと交流した京都の画家たちの作品も一部加えて展示会を開催しました。

 

また、京都の円山応挙と呉春らの活躍で、多くの写生派の画家たちが生まれましたが、それらの中に大坂の写生派の画家たちがいました。
そして、文人画と写生派を軸とした大坂画壇の絵画は、一方で流派に捉われない種々様々な画家たちも輩出しており、蒹葭堂の周辺で活動した戯画作者の耳鳥齋はその代表です。