TOP 活動報告 明治・大正・昭和期に刊行された中国語教材 氷野 善寛

活動報告

UNIT 12021.04.21

明治・大正・昭和期に刊行された中国語教材 氷野 善寛

当時の中国語会話書や中国語教材の目録の作成とデータベースの構築

 

明治以降に出版された中国語関連の原資料の収集を積極的に行い、目録整理を行っています。同分野の目録では六角恒広2001『中国語関係書書目』が有名ですが、ここ数年の調査により、同目録には収録されていない数多くの資料があることが分かってきました。その多くは、1940年前後のもので、レコード、子供向けの教材や玩具(カルタや紙芝居など)、パンフレットなどに掲載されている中国語会話、各種雑誌に掲載されている中国語講座、個人の筆記類など、公的な図書館には収集されていないものになります。こういった資料を探しては購入したり、公的な機関に収集されている書誌情報を少しずつ整理したりすることで、これまでに『清代民国漢語文献目録』(2011)、『鱒澤文庫目録(初稿)』(2017)などの目録を公開しました。
また会話書に収録されている中国語文の全文検索と収録語彙の検証を目的に構築した「中国語基本語彙検証データベース」に作成したデータを使用し、教材のデジタル化も進めています。これらの資料は単に教材としての価値だけではなく、当時の中国語を対象とした研究を行ったり、会話の内容から当時の社会分析を行ったり、当時の中国語の環境を明らかにしたりするなど、数多くの関連分野の研究を行うことができます。

中国語基本語彙検証データベース

 

日用支那語カルタ(左) めんこ(右)