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活動報告

UNIT 12021.04.21

東アジア近代新語・ 訳語研究プラットフォームの構築 沈 国威

日中韓研究者の共同作業の場

 

東アジアは、漢字を媒体に西洋の近代的概念を受け入れ、共有しています。近代以降の文化交渉と言語接触の最も典型的な事例として研究者の関心を引きつけてきました。これまでに日中韓越の研究者がそれぞれの立場から研究を進めてきましたが、研究成果、リソースを集約し、より効率的に研究を行うべく、われわれは、北京外国語大学歴史学院の協力を得て、2019年に「世界史的視点からの概念史研究:東アジア近代新語訳語研究プラットフォーム」を構築しました。(図1)

図1

プラットフォームには中日近代同形語が7714語収録されています。それぞれの収録語に対して、日中韓越の四つの言語の語形、英語の対訳語、及び20世紀初頭までの中日文献、英華英和辞典などの出典を示しています。さらに【語誌】では、見出し語の漢字文化圏における移動、定型化の過程を記述しています。(図2)

図2

われわれの目的は、東アジア諸言語の近代語彙史、及び近代概念史等の研究に基礎的資料を提供することです。
コロナ禍の中、日中の研究者が力を合わせ、着実に研究を進めています。
2021年度末では、まず中国語に進出した日本語由来の近代新語・訳語の部分(2000語前後)を完成する予定です。
この部分は、また『中国語における日本借用語辞典』(仮題)として中国の出版社より刊行します。