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活動報告

UNIT 12021.04.21

岩崎美隆文庫デジタル化と近世国学者たちの知のネットワーク解明のためテキスト化の規格作成 乾 善彦

廣瀬本万葉集のTEI化による古典籍情報資源化

 

本学図書館には岩崎美隆文庫をはじめ、国学者たちの旧蔵書が多く所蔵されています。
それらには決まって、彼らの学習の跡が「書入れ」の形で残されています。それらは、師説の継承と共に自分自身の発見の証でもあります。
彼らはまず、師説を丁寧に書き込んで、その上に自説を展開するという方法をとっていました。
本居宣長記念館には、万葉集と百人一首改観抄の宣長自筆書入本が残されています。
本学岩崎文庫の百人一首改観抄は、宣長自筆本とそっくりであり、貴重書庫の寛永版本万葉集も宣長自筆書入本そっくりなのです。そこで、同類の書入本をデジタル化してテキストデータを作成書き入れを集大成するための足掛かりを作ることができると考えています。

同時に、本学所蔵廣瀬本万葉集の書記情報をTEIデータ化する作業を行っています。
これも、書入れ本研究のためのデータ化のひな形作りです。
これによって、古典の書き入れを情報資源としてさまざまな活用が可能になると考えています。


岩崎美隆文庫蔵百人一首改観抄(朱:宣長注、墨:美隆注)


関西大学図書館蔵寛永版本奥書(貼紙まで宣長自筆本と同じ)


同奥書(右頁:宣長奥書、左頁:美隆奥書)