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活動報告

UNIT 22021.04.21

東アジアの中の大阪の学統とネットワーク 吾妻重二

 本ユニットは前年度に引き続き漢学塾「泊園書院」および「近世大坂画壇」の研究を内外の協力を得て推進しました。
これらはともに大阪の学統を代表する存在であり、本学がその研究の中心となっています。
泊園書院プロジェクトにおいては、2020年5月にデジタルアーカイブ上の印章の情報をすべて更新し、7月にはWEB泊園コンテンツを充実、全面的にリニューアルして公開しました。

 特筆すべきは「南岳百年祭」記念事業の開催です。2020年は泊園書院の黄金期を作った藤澤南岳の没後100年目にあたっており、東西学術研究所や泊園記念会と協力して発起人会の開催(10月22日)、講演会などの記念シンポジウム(同23日、梅田キャンパス)、研究発表(同24日、千里山キャンパス)、さらに10月から11月にかけて企 画展「藤澤南岳の書と芸術」(図書館展示室)を開いのです。コロナ禍の中ではありましたが、シンポジウムは事前予約によって「満席御礼」 となり、オンライン視聴の申し込みも多数にのぼりました。

 大坂画壇プロジェクトでは、本学図書館や東西学術研究所が所蔵する大坂画壇の絵画(木村蒹葭堂周辺の文人画・写生派から近代の個性派)を2020年4月以降アーカイブ化して公開し、世界中の研究者や愛好家が利用できる体制をとりました。また2018年以来、ロンドン大学SOAS、京都国立近代美術館、大英博物館日本部門と協力して本学や大英博物館で研究集会を開き、その実績を踏まえて、2020年から21年にかけて大阪で、2022年に京都で、それ以後にロンドンで展覧会を開催し、本学の大坂画壇コレクションの一端を披露すること になっています。まずその第1弾として2020年12月から翌年1月まで、本学博物館で他館では展示されない作品を集めた「大坂画壇の絵画-日本・イギリス共同研究展 -」を開催したところです。