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活動報告

UNIT 32020.03.23

「高松塚古墳VR体験コンテンツの開発」 林武文

バーチャルリアリティにより高松塚古墳の石室内を探索する情報コンテンツを開発し、昨年度よりオープンキャンパスや学内外の行事あるいは大阪の商業施設等で公開しています。高松塚古墳は、1972年に関西大学の考古学研究室によって発見され、極彩色の壁画が「考古学史上最大の発見」とされて注目を集めました。しかし、現在ではカビの侵食によって壁画の現物はほぼ見ることが出来なくなっています。そこで、文学部の米田教授や博物館の山口学芸員より、発掘当時の壁画の画像と資料や7世紀の建設当初の復元画像を頂き、それを基に仮想空間上に石室を再現し、ヘッドマウントディスプレイを使って自由に観察出来るようにしました。開発は、総合情報学部の学生が行い、学内の行事では文学部の学部生や大学院生に解説を行って頂いています。どのイベントでも多くの方に興味をもって体験していただき、高い評価を得ています。

 

高松塚古墳VR体験コンテンツ(オープンキャンパスでの展示の様子)

 

 

来場者に対して実施したアンケートでは、「高松塚古墳を知っている」と答えた人でも、関西大学が発見したことを知っていた人は僅かであり、この点に関してこれからさらに情報発信を行っていく必要性を感じています。そのためには、実際に石室に居るような臨場感に加えて、発見した時の雰囲気や携わった人々の感激が伝わるようなコンテンツにしていく必要があります。また、スマートフォンと簡易ビューアを用いて、どこでも体験出来るようなWebベースのコンテンツにすることも検討したいと思います。

総合情報学部の林研究室では、新しい情報技術を使った情報の表現と有効な発信方法について研究を行っており、今後もKU-ORCASのデジタルアーカイブを題材にしたコンテンツ開発に取り組んでいく予定です。

 

発掘時と建設当初(7世紀)の壁画の石室の提示

 

壁画(青龍)と解説が表示される様子