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活動報告

UNIT 32020.03.23

シンポジウム「世界文化遺産へのあゆみ 百舌鳥・古市古墳群と関西大学」の開催報告 米田文孝・井上主税

「百舌鳥・古市古墳群」が、昨年7月6日に世界文化遺産に登録されました。同古墳群の本格的な学術的研究は、1950年ころから本学名誉教授末永雅雄によって始められたもので、その後、関西大学考古学研究室が重要な調査を手がけてきました。今回の世界文化遺産登録には本学の学術研究成果が深く寄与しているといえます。

世界遺産登録が決まった直後、7月15日には千里山キャンパスにて、7月28日には東京コンベンションホールにて、シンポジウム「世界文化遺産へのあゆみ 百舌鳥・古市古墳群と関西大学」を開催しました。シンポジウムにはそれぞれ約600名、約500名の参加がありました。

シンポジウムでは、まず第1部として徳田誠志氏(宮内庁書陵部)、十河良和氏(堺市世界文化遺産推進室)、海邉博史氏(堺市博物館)による講演がおこなわれました。このうち、徳田氏による「仁徳天皇陵の保全とその調査」では、これまで実態の明らかでなかった大王墓の埴輪や葺石の様子が報告されました。

つづく第2部のパネルディスカッションでは、ユニット3のメンバーである井上の司会で、徳田、十河、海邉の3氏に加え、同じくユニット3のメンバーである米田、山田幸弘氏(藤井寺市世界遺産登録推進室)、田中晋作氏(山口大学)の計7名によって討論を行いました。

討論では、将来にわたって古墳群をどのように保存していくのか、観光振興との両立が可能かについて、それぞれの立場から議論し、今後の課題について話し合いました。世界遺産に登録された古墳の保存はもちろん、それ以外の周辺の古墳についても史跡指定などによって、今後も保護していくことを確認しました。観光資源としての活用については、陵墓の立ち入りは難しいが、VRなどの映像による解説や出土した石棺のレプリカ展示、陵墓以外の石室の見学など古墳を楽しむ方法が提案されました。

 

シンポジウム「世界文化遺産へのあゆみ 百舌鳥・古市古墳群と関西大学」の様子