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活動報告

UNIT 12020.03.23

2019年度ユニット1活動報告「東西文化接触とテキスト」内田慶市

今年度は、ユニット1としては先ず以下のようなシンポジウムを行いました。

1.「近代における西洋料理の伝播と受容」(2019.2.9)
2.「東西文化の翻訳のかたち-聖像画の変容を中心に」(2019.6.15)

1では近代中国で出版された西洋人宣教師による『造洋飯書』(1866)を中心に日本近世の料理書、フランス料理の日本への影響等々の報告がなされ、活発な討議が行われました。

2では、聖像画の東アジアへの伝播とその需要の形について中国、ドイツ、長崎での事例を中心に議論が行われました。いずれも、東アジア研究における新しい領域で今後のKU-ORCASの活動としても極めて重要なものと認識しています。

 

また、ユニット1のデジタルアーカイブの成果としては、先ず、これまでの課題であった「近代漢語文献データベース」のアップデートが完成し、ようやく実用段階に入りました。近代漢語関係の文献が画像のみならずテキストと連動して検索が可能であり、近代漢語研究に大きな貢献をするはずです。今後、更なる文献の追加を継続していきたいと考えています。

このデジタルアーカイブに関しては、もう一つ、沈国威研究員によって「東アジア近代新語訳語研究コーパスプラットホーム」が構築されて以下のサイトで運用が開始されました。

「東アジア近代新語訳語研究コーパスプラットホーム」

http://www.globalhistory.cn/islib/conceptLs.htm

 

これは近代訳語の形成及び概念史研究にとって極めて有意義なコーパスであり、学界に裨益すること大であるはずです。
なお、次年度以降もこれらのデータベースの更なる充実を図っていくつもりです。

この他、内田が以下のような講演を行って、KU-ORCASの広報に努めました。

●「東アジア文献アーカイブの諸問題」デジタルアーカイブ学会KU-ORCAS企画セッション「デジタルアーカイブと東アジア研究」(京都大学,2019.3.15)

●「東アジア文献アーカイブの現状と課題」第11回東アジア文化交渉学会(ドイツ・エアランゲン大学,2019.5.10)

●「東アジア文献資料のデジタルアーカイブスの現状とKU-ORCASの目指すもの」日本中国学会・KU-ORCAS共催講演会(2019.10.13)

●「東アジア文献のデジタル化における諸問題—言語研究の立場から」 山東大学漢学研究センター(山東大学,2019.12.23)