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活動報告

UNIT 32018.12.20

「古都・史跡の時空間」 西本昌弘

1 概要

このユニットは、飛鳥・難波・京都など日本の古都を形づくってきた地域の歴史を掘り起こし、この地域の史跡や文化遺産に関わるデータベースを構築することを目標としています。関西大学には、高松塚古墳の発掘に象徴される古代飛鳥研究、なにわ大阪研究センターが保有している古代から近世・近代にかけての難波・大阪研究の大きな蓄積があります。こうした形で本学に蓄えられている発掘調査データや出土品データ、拓本資料データ、絵図・古地図データなどを集成して、オープン・プラットフォームに組み入れるとともに、新たに飛鳥時代の古墳の発掘調査を実施し、その成果を展覧会などの形で広く紹介します。

 

あわせて、本学図書館が所蔵する岩崎美隆文庫本・内藤文庫本・泊園文庫本・本山文庫本などの中から、難波・大坂地域や淀川流域・京都郊外の都市に関する古典籍・古文書・古地図・寺社境内図などを調査し、この地域の歴史空間復原の手がかりを集めます。古代から近世にいたる飛鳥・難波・京都の時空間復原データベースを構築し、それをオープン・プラットフォームに組み入れることが、本ユニットのめざすところです。

 

2 今年度の調査・研究内容

①古都飛鳥・難波などに関わる拓本資料、古地図資料などの調査・研究を進めます。

②関西大学図書館所蔵の岩崎美隆文庫本・内藤文庫本などの撮影とデータベース化を行います。

③終末期古墳のデータ集成

古墳一覧表を作成し、代表的な古墳の説明文・写真・図面などを集成します。また、朝鮮半島の墳墓集成に関する概要をまとめます。

 

3 現在の進捗状況

①関西大学博物館所蔵の拓本資料や関西大学図書館所蔵本山文庫本の古地図の中から、調査・検討対象となるものを選定中です。選定終了後に調査・検討を進め、撮影を行う予定です。

②岩崎美隆文庫本の撮影を進め、『日本霊異記』、『玉海』、『玉蘂』、『後愚昧記』などの撮影を完了しました。

③関連する研究の内容を整理・分析中です。代表的な古墳から一覧表を作成し、説明文の作成に着手しています。

 

4 今年度の研究集会・研究例会

2018年度第1回国際研究集会「飛鳥の古墳と新羅慶州の古墳」

2018年9月23日(日) 以文館4階セミナースペース

井上主税(関西大学文学部准教授)

「趣旨説明および当時の朝鮮半島情勢について」

今尾文昭(関西大学非常勤講師)

「段ノ塚古墳の内・外部構造と終末期古墳」

 

金東淑(韓国聖林文化財研究院調査研究室長)

「6・7世紀の新羅古墳に関する最近の研究動向について」

コメンテーター

米田文孝(関西大学文学部教授)

右島和夫(群馬県立歴史博物館長)

宇野愼敏(北九州市芸術文化振興財団)

 

2018年度第14回東西学術研究所研究例会(KU-ORCAS共催)

2018年12月14日(金) 児島惟謙館1階第1会議室

佐藤文子(関西大学非常勤講師)

「9世紀日本における魂魄観の転換―慰霊としての「鎮国家」思想―」

原田正俊(関西大学文学部教授)

「鎌倉時代後期の南都北嶺と禅宗―虚構の宗論―」

井上智勝(埼玉大学人文科学研究科教授)

「金代寺院秩序の一端―絳州白台寺「寺規」碑より―」

池尻陽子(関西大学文学部准教授)

「清廷におけるチベット仏教儀礼について―帝后喪事を中心に―」

 

2018年度研究例会

2018年度国際研究集会