東アジアの過去・現在・未来へ KU-ORCASキックオフシンポジウム

デジタルアーカイブが開く 東アジア文化研究の新しい地平

2018年2月17日(土)・18日(日) 関西大学千里山キャンパス 以文館4階

登壇者

Nathalie Monnet

フランス国立図書館写本部中国書チーフキュレーター

The Gallica digital library celebrates its 20th anniversary

膨大なデジタルデータに誰でもアクセス可能な「Gallica」

私どもフランス国立図書館が有するデジタルライブラリー「Gallica(ガリカ)」は、この度20周年を迎えました。当館は現在、4つのメインライブラリーに計1500万冊以上の書籍を所蔵。そしてGallicaは約400万のドキュメントを収蔵する巨大データベースです。ほぼ全てのデータに、誰でも、世界中のどこからでもアクセスが可能であり「無料で使用できる最大規模のデジタル図書館」と言えます。私の同僚は「Gallica銀河」と呼ぶほどです。

Gallicaでは画像イメージが豊富に示され、ドキュメント1点ずつに様々な情報を付与することで、難しい操作なく、データベース内の膨大な他データにアクセスできます。フランス国内270に及ぶ提携機関と協力の上で豊富な文献を展示している点にも、ぜひご注目ください。

よく「インターネット上で閲覧可能なGallicaデータは、パリの図書館内で閲覧できるものと同じか?」と質問をいただきますが、答えはノーです。一部のGallicaデータは館内限定サービス「Gallica intra muros」用です。というのも、国公立図書館が書籍をデジタル化できる対象はパブリックドメインに入ったもののみであり、著作権保護期間内の書籍はウェブに掲載できないため、館内に限定して公開しています。

デジタル化時代の「開かれた図書館」としての試み

Gallica発足から今日までの間に起こったデジタル革命は、情報へのアプローチ法を変え、非常に大量のバーチャルコレクションが可能になりました。私たちはより多くの人に開かれた図書館を目指し、ウェブサイトの導入ページを複数言語で作成するなど、常に世界の閲覧者へ向けた発信を行っています。ウェブサイト上ではGallica以外にも、デジタルライブラリー、デジタルサービスで可能なことを示した目録をご用意しています。一つは写本・地図・プリントされた本・図などのデジタルデータで、ウェブサイト「BnF」でBAMと呼ばれるもの。もう一つは一般的な目録と同じ、印刷された書籍を探すことができるシステムです。

Gallicaも目録も、必要とするデジタルデータを利用できるだけでなく、関連する多様な情報にアクセスできる内容の濃さ、操作性の良さが魅力です。

他にも当館では文化的イベントや学術会議の動画、またデジタル展示会などを配信しています。ご興味をお持ちであれば、ぜひフランス国立図書館のウェブサイトにお越しいただき、新旧様々な書籍をご覧いただければと思います。